
最初に確認するのは「何をする作業か」
同じ洗浄剤でも、少量をウエスに付けて拭き取る作業と、開放槽で大量に使用する作業では、ばく露の仕方が異なります。現場ではまず、次の情報を一枚にまとめます。
- 洗う対象: 部品、工具、治具、設備など。材質と表面処理も記録する
- 落とすもの: 油種、切削液、グリース、固着汚れなど
- 現在の方法: 使用製品、量、温度、作業時間、噴霧・浸漬・拭き取りの別
- 作業環境: 換気、飛散、皮膚接触、火気、周囲で行う別の作業
- 合格条件: 洗浄後の残留、乾燥時間、変色・腐食、防錆、後工程への影響
リスクアセスメントは、原則として化学物質を取り扱う作業ごとに行います。調合、噴霧、拭き取り、廃液の回収を一括りにせず、接触や飛散が起きる場面を確認します。厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A」
SDSで見るべき項目
次に、現在使っている製品の最新版SDS(安全データシート)を確認します。特に、危険有害性の要約、ばく露防止・保護措置、物理的・化学的性質、安定性・反応性、有害性情報が判断材料になります。
法令上のリスクアセスメント対象物に該当するかは、SDSの「適用法令」と「組成及び成分情報」も確認します。SDSが手元にない場合は、販売元に入手方法を確認してください。厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A」
「水系」「自然由来」「無臭」といった言葉だけで、ばく露対策や現場での確認を省略することはできません。代替品についてもSDSと使用条件を確認し、変更後の作業に必要な評価を行います。
対策は、代替・設備・手順・保護具の順に検討する
厚生労働省の指針では、法令に定められた措置を実施したうえで、危険性・有害性のより低い物質への代替や工程変更、密閉化・局所排気などの設備対策、作業手順の改善、適切な保護具の使用という順にリスク低減策を検討します。保護具は重要ですが、保護具だけを前提にして代替や設備対策の検討を飛ばさないことがポイントです。厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A」
洗浄剤を替える場合も、現在の方法をすべて一度に切り替える必要はありません。まず一つの対象物と一つの工程を選び、同じ汚れ・同じ合格基準で比較すると判断しやすくなります。
水系洗浄を試すときの比較項目
例えば、溶剤を用いた拭き取り洗浄を見直すなら、代替候補を小さな範囲で試し、次の項目を並べて確認します。
確認項目 | 比較時に記録すること |
|---|---|
洗浄品質 | 油汚れ・残留物の状態、後工程への影響 |
材質への影響 | 変色、腐食、表面処理との適合性 |
作業性 | 必要な時間、すすぎ・拭き取り・乾燥の手間 |
安全衛生 | SDSに基づく危険有害性、使用量、飛散・接触、換気と保護具 |
運用 | 液の交換頻度、廃液処理、設備との適合、総コスト |
水系洗浄は乾燥方法や材質によって適否が変わります。「溶剤を使わない」ことだけを成功条件にせず、洗浄品質と作業全体のリスクを合わせて判断します。
セブンコーポレーションのSEA’S7(シーズセブン)製品概要では、工場の部品・治具・設備まわりの脱脂洗浄などをご紹介しています。具体的な利用場面はSEA’S7の用途紹介ページもご覧ください。製品の適合性は、対象の材質、汚れ、使用条件を確認したうえで判断します。
洗浄方法が決まっていない場合
当社のSeveNavi(セブナビ)AI洗浄診断は、対象物・材質・汚れ・現在の洗浄方法を整理し、比較試験の進め方を提案するサービスです。SEA’S7が合わない可能性や、現在の方法を続ける選択肢も含めて検討します。
SeveNaviは、事業者による法定のリスクアセスメントや現場での安全判断を代行するものではありません。
洗浄剤の見直しを始める際は、現在の製品名、SDS、洗う対象、困っている点をお知らせください。工場の洗浄課題を相談する
よくある質問
洗浄剤を変更したら、必ずリスクアセスメントが必要ですか?
法令上の義務は、対象となる成分を含むか、どのような作業で扱うかによって異なります。対象物を新たに採用・変更するときや、対象物を扱う作業方法を変えるときは、使用前にリスクアセスメントを実施します。対象外でも危険有害性がある場合は、適切なリスク低減を検討してください。厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A」
自然由来の水系洗浄剤なら安全対策は不要ですか?
不要とはいえません。成分や性状に加え、噴霧による飛散、皮膚や眼への接触、他の薬剤との関係など、実際の作業条件を確認します。製品のSDSと現場の安全基準に従ってください。
洗浄方法を比較するとき、最初に何を用意すればよいですか?
現在使用している製品のSDS、対象物と汚れの写真、材質、洗浄手順、求める仕上がりがあれば、試験条件を整理しやすくなります。情報が一部しかなくても、SeveNaviで確認項目からご相談いただけます。
参考資料:厚生労働省「化学物質のリスクアセスメントについて」、厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A(リスクアセスメント関係)」。制度の適用は製品・作業条件によって異なります。記事の内容は2026年9月29日時点で確認した公表資料に基づきます。
