
サウジアラムコへの攻撃とホルムズ海峡の輸送リスク:洗浄剤の調達で確認したいこと
2026年10月13日、サウジアラビア東部ダーランにあるサウジアラムコの管理棟が攻撃を受け、限定的な火災が発生しました。サウジアラビアのエネルギー省の説明として、人的被害は報告されていません。一方、この攻撃だけで原油生産が止まった、あるいは日本で洗浄剤が不足する、と判断できる情報はまだ確認されていません。AP通信:アラムコの建物への攻撃
ただし、中東の石油供給を巡る不確実性は、この一件だけで始まったものではありません。国際エネルギー機関(IEA)は10月14日の石油市場報告で、エネルギー関連施設やタンカーへの攻撃が供給回復を脆弱にしていると指摘しました。同報告時点では、ブレント原油先物は9月初めから約13%上昇しています。これは複数の要因が重なった市場の動きであり、10月13日の攻撃単独による上昇幅ではありませんが価格が上がっています。IEA「Oil Market Report - October 2026」
ホルムズ海峡のリスクは、日本の製造業と無関係ではない
日本の調達構造について、資源エネルギー庁の2025年データでは、原油輸入の**中東依存度は94.0%、ホルムズ海峡への依存度は93.0%です。米国産原油は輸入量の1.0%**であり、単純に全量を置き換えられる状況ではありません。一方、IEAの10月報告では、9月のホルムズ海峡を通る石油の流れは日量1,090万バレルまで回復したとされています。したがって、輸送リスクは高いものの、全面的に通航が止まってはいません。資源エネルギー庁「エネルギーを巡る最近の動向」/IEA「Oil Market Report - October 2026」
石油備蓄などの供給対策もあるため、「12月に必ず石油や洗浄剤がなくなる」とは言えません。ただし、輸送費や原料調達、石油化学品の生産・流通に変化が出れば、個別製品の価格や納期には影響し得ます。企業として重要なのは、時期を断定して買い急ぐことではなく、自社の洗浄工程に影響が出る条件を具体的に把握することです。
原油高と、現場の洗浄剤不足は同じではない
原油価格、ナフサなどの石油化学原料、シンナー・パーツクリーナーなどの購入価格や納期は、それぞれ異なる取引・製造・物流段階を経て決まります。原油相場が動いたからといって、すべての洗浄剤が直ちに値上がり・欠品するわけではありません。反対に、原油相場だけを見ていても、特定製品の納期延長は見落とし得ます。
製造現場では、いま使っている洗浄剤ごとに、次回納期、価格改定の有無、代替品の承認状況を販売店・商社と確認しておくことが実務的です。現場の月間使用量と手持ち在庫を照らし合わせれば、切替えの検討に使える時間も見えてきます。
「代替できる工程」を先に一つ選ぶ
調達不安があるときほど、洗浄剤を一斉に切り替える判断は避けたいところです。例えばワークの油汚れ、工具・治具、設備表面など、要求される洗浄度と工程条件を確認できる対象を一つ選び、現行品と候補品を同じ条件で比較します。
比較するのは、汚れの落ち方だけではありません。対象材質への影響、すすぎ・乾燥、残渣、後工程への影響、作業時間、排水処理、SDSと現場の安全基準も確認します。結果によっては、従来の洗浄剤を使い続けることが適切です。詳しい考え方は、当社の洗浄工程のBCPに関する記事でも紹介しています。
SEA’S7を第2の選択肢として試す
SEA’S7(シーズセブン)は、ホタテ貝殻由来の成分と水をベースにした水溶液です。石油系洗浄剤の使用工程のうち、油汚れの洗浄や設備メンテナンスなどで、水系の方法を試す選択肢になります。シンナー・パーツクリーナー代替の用途紹介もご覧ください。
ただし、SEA’S7がすべての溶剤を置き換えられるわけではありません。また、原料が国内由来でも、製造・容器・輸送を含めて石油価格の影響を全く受けないという意味ではありません。効果と供給条件は、対象工程ごとに確かめる必要があります。
「現在の洗浄剤が入手しにくくなった場合、この工程は水系に切り替えられるか」を、必要になる前に確認しませんか。現在の洗浄剤名、洗浄対象、汚れ、材質、必要な洗浄度をお知らせいただければ、比較試験の進め方から整理します。SEA’S7の適合性・洗浄方法を相談する
※本記事は2026年10月19日時点の公開情報に基づきます。国際情勢、原油価格、個別製品の供給状況は変化します。調達条件は取引先の最新情報をご確認ください。
